社員インタビューのつくり方
価値観ではなく仕事の判断を伝える構成
公開日: 2026/07/20
最終更新日: 2026/07/20
まとめ
理解できること
- 社員インタビューに関する検索需要
- 価値観中心の記事では仕事が伝わらない理由
- 仕事の判断を引き出す質問のつくり方
- 職種ごとに確認すべき判断内容
- プロジェクトを題材にした記事構成
- 前職経験やキャリアを仕事へ接続する方法
- 社員記事を職種ページや求人へつなぐ方法

社員インタビューで起こりやすい問題
社員インタビューでは、次のような問題が起こりやすくなります。
- 入社理由と会社の魅力が記事の大半を占める
- 「風通しがよい」「裁量がある」といった抽象語が多い
- 具体的な仕事内容が分からない
- 何に責任を持っているのか分からない
- 本人がどこまで判断したのか分からない
- 上司や他部門との関係が分からない
- 成果だけが紹介され、途中の迷いや失敗が見えない
- どのようなスキルが必要なのか分からない
- 読後に関連職種や求人へ移動できない
- 複数の記事を読んでも似た内容に見える
特に多いのが、次のような構成です。
- 前職について
- 入社理由
- 現在の仕事内容
- 会社のよいところ
- 今後の目標
- 候補者へのメッセージ
この構成では、社員の経歴や会社への好意は伝わります。
一方で、候補者が応募を判断するために必要な、次の情報が不足します。
- 具体的な担当業務
- 課題の難しさ
- 判断できる範囲
- 意見が分かれた場面
- 成果を測る指標
- 関係部署との責任分担
- 入社後に求められる能力
- 現在も残っている課題
社員インタビューは、単なる社員紹介ではありません。
候補者が、その会社で自分がどのように考え、判断し、働くのかを疑似体験するためのコンテンツ
として設計する必要があります。
Ahrefsで見る社員インタビューの検索需要
Ahrefsで、社員インタビュー、採用インタビュー、採用サイトの社員紹介に関連するキーワードを調査しました。
キーワード | 月間検索数 | KD | トラフィックポテンシャル | 主な検索意図 |
|---|---|---|---|---|
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※検索ボリュームはAhrefsが推定する直近12カ月の平均値です。
※KDは被リンク状況を中心に算出される相対的な指標です。KDが低くても、制作会社、採用支援会社、採用メディアなどが上位を占める場合があり、容易に上位表示できることを意味しません。
「社員インタビュー」には一定の検索需要がある
「社員インタビュー」は月間1,000回検索されています。
検索者には、社員記事を制作したい企業側だけでなく、特定企業の社員情報を探す候補者も含まれると考えられます。
また、「採用サイト 社員紹介」「採用インタビュー」「社員インタビュー 質問」などにも検索需要があります。
これは、社員インタビューが採用サイトにおける一般的なコンテンツである一方、何を質問し、どのように構成すべきかが明確になっていない企業が多いことを示唆します。
量産よりも記事ごとの役割設計が重要
社員インタビューは、人数を増やせば採用成果が高まるとは限りません。
次のような記事を10本制作しても、候補者が得られる情報はほとんど同じです。
- 会社の雰囲気がよい
- メンバーが親切
- 挑戦できる
- 裁量が大きい
- 成長できる
記事ごとに、どの候補者のどの疑問に答えるかを決める必要があります。
例えば、次のように役割を分けます。
記事 | 答える疑問 |
|---|---|
若手社員 | 入社後にどのように仕事を覚えるか |
中途社員 | 前職経験がどこで生きるか |
リーダー | どの範囲を意思決定できるか |
マネージャー | 組織や評価をどう考えているか |
専門職 | 高い専門性をどう生かせるか |
異業界出身者 | 未経験領域をどう学んだか |
プロジェクト責任者 | 難しい判断をどう行ったか |
社員インタビューの基本設計
社員インタビューを制作する前に、次の順序で設計します。
- どの候補者へ届ける記事か
- どの疑問へ答える記事か
- どの仕事・プロジェクトを題材にするか
- どの判断を中心に取り上げるか
- どの能力や価値観を伝えるか
- 読後にどのページへ移動させるか
ターゲットを「全候補者」にしない
社員インタビューの対象を「当社に興味があるすべての人」とすると、内容が一般的になります。
具体的には、次のように設定します。
- 異業界からカスタマーサクセスへ転職したい人
- 受託開発から自社プロダクトへ移りたいエンジニア
- プロジェクトマネージャーからPdMへ転向したい人
- 個人貢献からマネジメントへ進みたい人
- 大企業からスタートアップへ転職したい人
- 地方からリモートで働きたい人
- 専門職として昇格したい人
記事のターゲットが決まると、質問と構成も具体化できます。
一つの記事で伝えるテーマを絞る
一人の社員から、仕事内容、キャリア、カルチャー、制度、働き方をすべて聞くと、内容が浅くなります。
一つの記事では、中心テーマを一つに絞ります。
- 難しい顧客課題への対応
- 新規プロダクトの立ち上げ
- 技術的負債の解消
- 組織の立て直し
- 異業界からのキャリアチェンジ
- マネージャーへの昇格
- 失敗したプロジェクト
- 意見が対立した意思決定
- 入社後のオンボーディング
- 専門職としてのキャリア
そのうえで、必要な範囲で入社理由や価値観を補足します。
価値観ではなく判断から伝える
会社の価値観は、社員が「大切にしています」と話すだけでは伝わりません。
仕事上の選択として現れたときに、候補者は価値観を理解できます。
抽象的な価値観を行動へ変換する
例えば、「顧客志向」という価値観を伝える場合を考えます。
抽象的な質問
顧客と向き合ううえで、大切にしていることは何ですか。
判断を引き出す質問
顧客から強い要望がありましたが、要望どおりに対応しなかった経験はありますか。どのような情報を確認し、どう判断しましたか。
「挑戦」という価値観も同様です。
抽象的な質問
挑戦できる会社だと感じますか。
判断を引き出す質問
成功する確信がない中で進めた施策はありますか。どのようなリスクを確認し、なぜ実施すると判断しましたか。
価値観は、行動や判断を通じて表現します。
判断を構成する要素を聞く
社員の判断を具体化するには、次の要素を確認します。
- どのような状況だったか
- 何が問題だったか
- どの情報を持っていたか
- どの情報が不足していたか
- どの選択肢があったか
- それぞれにどのような利点とリスクがあったか
- 誰と相談したか
- 誰が最終決定したか
- 何を選び、何を見送ったか
- 結果はどうなったか
- 次回は何を変えるか
これらを聞くと、単なる成功談ではなく、仕事の進め方が見えてきます。
仕事の判断が伝わる記事構成
社員インタビューは、時系列で経歴を追うだけでなく、一つの仕事やプロジェクトを中心に構成します。
1. 現在の役割と責任
最初に、社員が何を担当しているかを具体的に説明します。
- 職種
- 所属チーム
- 担当プロダクト
- 対象顧客
- 主な業務
- 責任範囲
- 意思決定できる範囲
- 評価される成果
曖昧な表現
カスタマーサクセスとして、顧客支援を担当しています。
具体的な表現
従業員1,000人以上の企業を約15社担当し、導入後のオンボーディングから全社展開、更新までを支援しています。顧客ごとの活用計画は自ら設計し、契約条件の交渉は営業と分担しています。
2. 直面していた課題
次に、題材となる仕事の難しさを説明します。
- 顧客やユーザーは誰か
- 何がうまくいっていなかったか
- なぜ解決が難しかったか
- どのような制約があったか
- 失敗すると何が起きるか
- どの関係者が関わっていたか
成果だけでなく、課題の構造を伝えることで、候補者は仕事の難易度を理解できます。
3. 検討した選択肢
判断には、比較した選択肢があります。
- すぐに実施する
- 小さく検証する
- 実施を見送る
- 別の方法を選ぶ
- 顧客ごとに対応する
- 標準機能として開発する
- 外部サービスを利用する
- 社内で構築する
どのような案があり、なぜ迷ったのかを聞きます。
4. 判断に使った情報
社員の専門性は、どの情報に注目するかに表れます。
- 顧客インタビュー
- 利用データ
- 売上・継続率
- 技術的なリスク
- 開発工数
- 市場・競合
- 法令・契約
- チームの能力
- 過去の失敗
- 経営方針
「自分の感覚で判断した」のではなく、何を根拠にしたかを具体化します。
5. 関係者との合意形成
多くの仕事は、一人では進められません。
- 誰と意見が異なったか
- 相手は何を重視していたか
- 何を共通目標にしたか
- どの情報を提示したか
- 何を譲り、何を譲らなかったか
- 最終的に誰が決めたか
この部分から、組織の意思決定や他職種との関係が伝わります。
6. 実施したことと成果
成果は、可能な範囲で具体的に示します。
- 売上
- 利用率
- 継続率
- 工数
- 品質
- リードタイム
- 顧客満足度
- 問い合わせ数
- 採用人数
- チームの変化
数値を公開できない場合は、前後の状態を説明します。
成果だけの表現
プロジェクトを無事に成功させました。
変化が分かる表現
以前は担当者ごとに導入手順が異なっていましたが、標準プログラムを整備したことで、顧客が主要機能を使い始めるまでの期間を短縮できました。
7. うまくいかなかったこと
信頼できる記事にするには、失敗や見直しも必要です。
- 最初の仮説が外れた
- 顧客への確認が不足していた
- 関係者を巻き込むのが遅れた
- 指標の設定が適切でなかった
- 実装後に新しい問題が発生した
- 想定以上に時間がかかった
重要なのは、失敗を告白することではありません。
どのように気づき、判断を修正したかを伝えます。
8. 現在も残っている課題
すべてが解決したように書くと、入社後に担う仕事が見えません。
- まだ標準化できていない
- 一部の顧客でしか成果が出ていない
- データが不足している
- 組織として再現できていない
- 技術的負債が残っている
- 次の市場へ展開できていない
- 人員や専門性が不足している
残課題は、そのまま採用理由や求人へ接続できます。
9. 入社後のキャリアとの接続
最後に、社員が現在の役割へ至った過程を整理します。
- 前職で何を経験したか
- 入社後に何を学んだか
- 最初に任された仕事
- 役割がどう広がったか
- どのように評価されたか
- 今後どの責任を担いたいか
キャリアを単なる年表ではなく、能力と責任の拡大として伝えます。
インタビューで使える質問例
現在の仕事を理解する質問
- 現在、誰に対してどのような価値を提供していますか
- 一週間の中で、どの業務に最も時間を使っていますか
- どこからどこまでがご自身の担当範囲ですか
- どのような成果を求められていますか
- 自分で決められることと、相談が必要なことは何ですか
- 最も頻繁に連携する職種は誰ですか
課題と判断を引き出す質問
- 最近、判断が難しかった仕事は何ですか
- どのような選択肢がありましたか
- 何を根拠に優先順位を決めましたか
- どのようなリスクを検討しましたか
- 意見が対立した場面はありましたか
- 最終的に誰が判断しましたか
- 見送った案はありますか
- いま同じ状況なら何を変えますか
他職種との関係を理解する質問
- 他職種とは、どの段階から一緒に仕事をしますか
- 責任が重なる領域はどこですか
- 意見が異なった場合、どのように整理しますか
- 相手の専門性をどのように尊重していますか
- 自分の職種が最終判断する領域はどこですか
- 他職種からどのような情報を受け取りますか
成果と評価を理解する質問
- どの指標を見ていますか
- 個人とチームの成果はどう分かれていますか
- 数値以外に評価されることは何ですか
- 短期成果と長期成果をどう考えていますか
- 成果が出なかった場合は何を振り返りますか
- 組織への貢献はどのように評価されますか
キャリアを理解する質問
- 前職のどの経験が現在の仕事に生きていますか
- 入社後に新しく学んだことは何ですか
- 最初につまずいたことは何ですか
- どのような支援を受けましたか
- 役割が広がったきっかけは何ですか
- 次に担いたい責任は何ですか
職種別に伝えるべき「判断」
職種によって、候補者が知りたい判断内容は異なります。
エンジニア
エンジニアの社員インタビューでは、技術名だけでなく、技術判断を扱います。
- なぜその技術を選んだか
- どの代替案を比較したか
- 品質と開発速度をどう調整したか
- 技術的負債をいつ返すと決めたか
- 障害時に何を優先したか
- PdMやデザイナーとどう合意したか
- 本人がどこまで設計を決めたか
(内部リンク)エンジニア採用サイト戦略|技術・開発組織・キャリアの伝え方
QAエンジニア
QAでは、テスト実行ではなく品質判断を扱います。
- どのリスクを重要と判断したか
- どこまでテストするか
- 何を自動化するか
- リリース可能とどう判断したか
- 開発者と品質責任をどう分担したか
- 不具合を個別対応で終わらせず、どう改善したか
(内部リンク)QAエンジニア採用サイト戦略|テスト担当ではない品質設計の仕事を伝える
セキュリティエンジニア
セキュリティでは、何を守り、どのリスクを受け入れるかを扱います。
- どのリスクを優先したか
- リリース停止を提案したか
- どこまでを許容したか
- 開発・法務・経営とどう判断したか
- 顧客への説明をどう決めたか
- 再発防止へ何を反映したか
(内部リンク)セキュリティエンジニア採用サイト戦略|守る対象・責任・権限の伝え方
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスでは、顧客成果へ向けた支援判断を扱います。
- 顧客成果をどう定義したか
- 活用が進まない原因をどう特定したか
- どの顧客へ優先的に支援したか
- 要望に対応しない判断をしたか
- 営業やPdMへ何を共有したか
- 更新やアップセルへどう関わったか
(内部リンク)カスタマーサクセス採用サイト戦略|仕事内容・顧客成果・キャリアの見せ方
インサイドセールス
インサイドセールスでは、顧客との接点と商談化の判断を扱います。
- どの顧客へ優先的に連絡したか
- 商談化するか育成するかをどう判断したか
- どの情報を営業へ引き継いだか
- マーケティングへ何を戻したか
- 商談数と質をどう両立したか
- トークやプロセスをどう改善したか
(内部リンク)インサイドセールス採用サイト戦略|The Modelでは伝わらない役割の具体化
プロダクトマネージャー
PdMでは、何をつくり、何を見送ったかを扱います。
- どの顧客課題を優先したか
- どのデータを確認したか
- どの機能を見送ったか
- 事業・顧客・技術をどう比較したか
- ロードマップをどう変更したか
- 誰が最終判断したか
- リリース後に判断をどう修正したか
(内部リンク)プロダクトマネージャー採用サイト戦略|PdMの責任と意思決定を伝える
PMM
PMMでは、市場と顧客への価値伝達に関する判断を扱います。
- どの市場を優先したか
- どの顧客セグメントを選んだか
- 競合との差をどう定義したか
- 何をメッセージから外したか
- 営業やPdMとどう合意したか
- 市場の反応からGTMをどう変更したか
(内部リンク)PMM採用サイト戦略|市場・顧客・プロダクトをつなぐ責任の伝え方
マネージャー
マネージャーの記事では、メンバーへの思いだけでなく、組織判断を扱います。
- 採用で何を重視したか
- 誰へどの役割を任せたか
- 評価をどう判断したか
- 成果が出ないメンバーをどう支援したか
- 組織構造をなぜ変更したか
- 短期成果と育成をどう両立したか
- 自分が決めずに任せたことは何か
前職経験と現在の仕事をつなぐ
中途採用向けの記事では、前職から現在までを単なる経歴として紹介しないことが重要です。
前職名ではなく具体的な経験を聞く
「前職はメーカー営業でした」だけでは、現在の仕事との接点は見えません。
次の情報を確認します。
- どのような顧客を担当したか
- どのような課題を解決したか
- 何を提案したか
- 誰と合意形成したか
- どのような成果を出したか
- どの能力を身につけたか
経験が生きた具体的な場面を聞く
抽象的な表現
前職の営業経験が生きています。
具体的な表現
前職では、顧客企業の複数部門から要望を聞き、設備導入の計画をまとめていました。現在のカスタマーサクセスでも、人事、情報システム、現場部門の意見を整理し、全社展開の計画をつくる際に、その経験が生きています。
入社後に学んだことも分ける
すべての経験がそのまま使えたように書くと、転職の難しさが伝わりません。
- 前職から生かせたこと
- 入社後に学んだこと
- 最初に苦労したこと
- 会社から受けた支援
- 独り立ちまでの期間
を分けて説明します。
(内部リンク)異業界からの採用を増やす採用サイト設計|前職経験と募集職種のつなぎ方
「裁量がある」を具体化する
社員インタビューで頻繁に使われる言葉の一つが「裁量」です。
しかし、裁量の意味は企業や職種によって異なります。
裁量を意思決定項目へ分解する
- 目標を自分で設定できる
- 優先順位を決められる
- 施策を提案できる
- 予算を使える
- ツールを選定できる
- 顧客への提案内容を決められる
- 開発内容を決められる
- チーム体制を変更できる
- 採用へ関われる
- リリースや案件を停止できる
社員へ「裁量がありますか」と聞くのではなく、何を決めた経験があるかを聞きます。
決められないことも伝える
裁量を誇張しないために、次の点も確認します。
- どこから承認が必要か
- 誰と合意する必要があるか
- 予算やリスクにどのような制約があるか
- 最終決定者は誰か
- 経営判断となる条件は何か
意思決定の境界が分かることで、候補者は入社後の期待値を持ちやすくなります。
「風通しがよい」を具体化する
「風通しがよい会社です」という表現も、そのままでは仕事の実態を伝えません。
コミュニケーションの仕組みを聞く
- どの会議で意見を出せるか
- 経営層とどの程度話すか
- 異論をどのように伝えるか
- 意見が反映された事例
- 意見が採用されなかった事例
- 決定後にどう共有されるか
- 1on1やレビューの頻度
- 職種を越えた議論の方法
意見が対立した事例を聞く
風通しのよさは、全員が仲良く同意することではありません。
異なる意見を出し、議論し、決定後に協力できるかが重要です。
開発負荷を理由に反対された際、顧客影響のデータを提示して優先度を再検討しました。最終的には段階的に実装する案で合意しました。
このような具体例の方が、組織のコミュニケーションを正確に伝えられます。
記事タイトルのつくり方
「社員インタビュー|営業部・山田太郎」のようなタイトルでは、記事の内容が伝わりません。
仕事の課題と判断をタイトルに入れる
記事タイトルには、次の要素を組み合わせます。
- 職種
- 担当領域
- 課題
- 判断
- 成果
- キャリアの変化
タイトル例
- 大手顧客の要望をそのまま開発しなかった理由|PdMが語る優先順位の決め方
- 商談数より案件化率を重視する|インサイドセールスが変えた引き継ぎ基準
- テスト工程を増やさず品質を高める|QAが開発チームと進めた改善
- 人材営業の経験はSaaSのCSでどう生きたか|異業界転職後の3カ月
- 新機能の訴求を変えた理由|PMMが顧客調査から見直したGTM戦略
- 障害対応を個人の経験で終わらせない|SREが再発防止を仕組みにした過程
候補者が検索する職種名を含める
社員名や社内用語だけではなく、候補者が理解できる職種名を含めます。
- カスタマーサクセス
- プロダクトマネージャー
- バックエンドエンジニア
- セキュリティエンジニア
- PMM
- インサイドセールス
社員名は、タイトル末尾や記事内で補足しても構いません。
記事の信頼性を高める編集方法
編集で発言をきれいにしすぎない
インタビュー記事では、発言を整えすぎると、すべての社員が同じ言葉を使う記事になります。
- 話し方の特徴
- 迷った過程
- 具体的なエピソード
- 本人が使った職種固有の言葉
- 感情の変化
を残しながら、読みやすく編集します。
会社の理想に回答を合わせない
企業が伝えたい価値観に合わせて、回答を誘導しすぎると信頼性が下がります。
「当社のバリューである挑戦を感じた場面はありますか」ではなく、
最近、成功する確信がない状態で進めた仕事はありますか。
と質問した方が、実際の判断を聞けます。
守秘義務を理由に抽象化しすぎない
顧客名や具体的な数値を公開できない場合でも、次の情報は説明できます。
- 顧客規模
- 業界
- 課題の種類
- 関係者の数
- 検討した選択肢
- 判断基準
- 前後の変化
- 本人の責任範囲
公開できる粒度を取材前に決めておくことが重要です。
社員インタビューを職種・求人へつなげる
社員インタビューは、記事を読んで終わるコンテンツではありません。
候補者が仕事を理解し、関連求人を検討できるように導線を設計します。
記事上部で職種と役割を示す
記事冒頭に、次の情報を掲載します。
- 氏名
- 職種
- 所属チーム
- 担当プロダクト
- 入社年
- 前職
- 関連する職種ページ
読者は、誰のどの仕事についての記事かをすぐに理解できます。
記事末尾に関連情報を配置する
記事末尾には、次の導線を設けます。
- 職種紹介
- 組織紹介
- 関連するプロジェクト記事
- 同じ職種の社員記事
- キャリア・評価制度
- 関連求人
- カジュアル面談
単に「採用情報はこちら」とするのではなく、記事内容に合うページを表示します。
個別求人だけにリンクしない
求人は募集終了する可能性があります。
記事からは、次のような安定したページにもリンクします。
- 職種ハブ
- 部門別採用トップ
- 関連求人一覧
- 求人の職種絞り込みページ
- タレント登録
募集終了後も記事から候補者が次の情報へ進めるようにします。
(内部リンク)採用サイトとnote・技術ブログの役割分担|コンテンツを求人につなげる方法
社員インタビューの種類を使い分ける
すべての記事を同じ形式にする必要はありません。
仕事・プロジェクトインタビュー
具体的な課題と意思決定を伝える記事です。
- 仕事の難しさ
- 判断基準
- 他職種との連携
- 成果
- 残課題
経験者採用や専門職採用との相性がよい形式です。
キャリアインタビュー
前職から現在までの能力と責任の変化を伝えます。
- 前職の具体的な経験
- 転職理由
- 入社後に学んだこと
- 役割の拡大
- 評価・昇格
- 今後のキャリア
異業界採用や若手採用との相性がよい形式です。
チームインタビュー
複数職種の責任分担を伝えます。
- それぞれの役割
- 誰が何を決めるか
- 意見が分かれた場面
- 共通目標
- チームの課題
PdM、エンジニア、デザイナーなどの協働を伝える際に有効です。
マネージャーインタビュー
組織、採用、評価、育成を伝えます。
- チームのミッション
- 採用背景
- 求める能力
- 任せる責任
- 評価基準
- 育成
- 現在の組織課題
求人票だけでは見えない、入社後の期待を伝えられます。
クロストーク
複数人の対話から、組織の違いや議論の仕方を伝えます。
ただし、雰囲気だけの座談会にならないよう、具体的なテーマを設定します。
- 新機能の優先順位
- 品質と開発速度
- 営業要望とプロダクト戦略
- マネージャーと専門職のキャリア
- リモートワークでの情報共有
社員インタビューの制作フロー
1. 採用課題を確認する
最初に、記事で解決する採用課題を決めます。
- 仕事内容が理解されていない
- 裁量が伝わっていない
- 異業界から応募されない
- マネージャー候補が不足している
- 技術的な魅力が伝わっていない
- キャリアパスが不明確
- 求人票だけでは採用背景が伝わらない
2. 対象候補者を決める
経験、職種、キャリア段階まで具体化します。
3. 記事の中心となる仕事を選ぶ
本人の経歴ではなく、候補者に伝える価値がある仕事を選びます。
4. 事前取材を行う
本取材前に、次の情報を集めます。
- 職種・責任
- プロジェクト概要
- 関係者
- 意思決定
- 成果
- 公開可能な情報
- 関連求人
5. 質問を設計する
一般質問だけでなく、選んだ仕事に固有の質問を作成します。
6. 本取材を行う
回答が抽象的な場合は、次のように掘り下げます。
- 例えば、どのような場面ですか
- 誰と意見が違いましたか
- ほかにどの案がありましたか
- 何を見て判断しましたか
- ご自身はどこまで決めましたか
- 結果として何が変わりましたか
7. 構成を判断中心に編集する
時系列より、課題、選択肢、判断、結果の流れを優先します。
8. 事実確認と公開範囲を確認する
本人だけでなく、必要に応じて上司、広報、法務、顧客担当者にも確認します。
9. 職種・求人導線を設置する
記事公開前に、関連ページとのリンクを確認します。
10. 公開後に効果を確認する
- 記事閲覧数
- 読了率
- 職種ページへの遷移
- 求人閲覧
- カジュアル面談
- 応募
- 面接時の言及
- 候補者アンケート
を確認します。
社員インタビューで優先して制作すべき記事
優先度1:採用優先職種の仕事インタビュー
現在採用を強化している職種から制作します。
求人票だけでは伝わらない、課題、責任、判断を中心にします。
優先度2:異業界・異職種転職者の記事
応募対象を広げたい場合に有効です。
前職経験と現在の仕事の接続を具体化します。
優先度3:マネージャーの記事
採用背景、組織課題、評価、育成、入社後の期待を伝えます。
優先度4:難易度の高いプロジェクト記事
専門性や仕事の面白さを伝えます。
成功だけでなく、検討した選択肢や見送った案も扱います。
優先度5:キャリア・昇格記事
専門職、マネジメント、異動など、複数のキャリアを示します。
社員インタビューの構成例
導入
- 誰の、どの仕事を扱う記事か
- 候補者にどのような疑問へ答えるか
- プロジェクトやキャリアの概要
プロフィール
- 職種
- 所属
- 担当領域
- 入社年
- 前職
- 現在の責任
現在の仕事
- 対象顧客・ユーザー
- 主な業務
- 成果指標
- 意思決定範囲
- 関係職種
プロジェクト・課題
- 背景
- 問題
- 制約
- 関係者
- 難しさ
選択肢と判断
- 比較した案
- 確認した情報
- 判断基準
- 合意形成
- 最終決定
実行と成果
- 実施内容
- 結果
- 想定外だったこと
- 学び
- 残課題
キャリア
- 前職経験
- 入社後に学んだこと
- 役割の変化
- 評価・昇格
- 今後担いたい責任
関連情報
- 職種ページ
- 組織ページ
- 関連記事
- キャリア・評価
- 求人
- カジュアル面談
社員インタビューの改善チェックリスト
企画
- 誰に届ける記事か決まっているか
- 候補者のどの疑問に答えるか決まっているか
- 一つの中心テーマに絞っているか
- 採用優先職種と接続しているか
- 記事制作自体が目的になっていないか
仕事内容
- 対象顧客やプロダクトが分かるか
- 具体的な業務が分かるか
- 責任範囲が分かるか
- 成果指標が分かるか
- 一週間の働き方を想像できるか
判断
- 直面した課題が具体的か
- 複数の選択肢が示されているか
- 判断に使った情報が分かるか
- 本人がどこまで決めたか分かるか
- 見送った選択肢も説明しているか
組織・連携
- 誰と仕事を進めるか分かるか
- 他職種との責任分担が分かるか
- 意見が異なる場合の進め方が分かるか
- 上司や経営との関係が分かるか
- 組織の意思決定方法が分かるか
信頼性
- 成功だけでなく苦労も伝えているか
- 失敗や判断変更が含まれているか
- 抽象的な価値観だけになっていないか
- 会社が言わせたい回答に見えないか
- 公開できる範囲で具体性を保っているか
キャリア
- 前職の具体的な経験が分かるか
- 現在の仕事との接続が分かるか
- 入社後に学んだことが分かるか
- 役割がどう広がったか分かるか
- 今後のキャリアが分かるか
導線
- 記事から職種ページへ移動できるか
- 組織や制度を確認できるか
- 関連社員の記事を読めるか
- 関連求人へ移動できるか
- 求人終了後もリンク切れにならないか
まとめ
社員インタビューでは、社員の価値観や会社への好意を紹介するだけでは、候補者が入社後の仕事を理解できません。
Ahrefsでは、「社員インタビュー」が月間1,000回、「採用サイト 社員紹介」と「採用インタビュー」がそれぞれ100回検索されています。
社員インタビューは一般的な採用コンテンツですが、似たような入社理由や会社の魅力を並べるだけでは、記事ごとの差が生まれません。
候補者が知りたいのは、社員がどのような価値観を持っているかだけではありません。
その価値観が、具体的な仕事の中でどのような判断として表れているかを知りたいのです。
そのため、社員インタビューでは次の三つを明確にする必要があります。
- どのような課題に向き合ったのか
- どの情報と選択肢から、何を判断したのか
- 誰と仕事を進め、結果として何が変わったのか
「顧客志向」「挑戦」「裁量」「風通し」といった言葉は、具体的な場面、行動、意思決定へ置き換えます。
社員インタビューを、人柄や価値観を紹介する記事から、候補者が仕事の責任、判断基準、組織との関係を理解するコンテンツへ変えることが、応募前の理解促進と入社後のミスマッチ防止につながります。